蛍火に揺れる
(菅原さんは冷静…っていつも感情が見えないところあるんだけど……。でもなんか…『元カレ元カノ』ってわけではなさそうだし…まさか大村君が振られた相手?とか?でも菅原さん振るかなぁ…)
何だか確実に『先輩後輩』以上に何かがあったな、と私の心が警報を鳴らす。
まぁお互い彼氏彼女は居ないはずだし、警報というのもおかしい話ではあるが。
(うーん、これは…どうなんだ?)
ハルさんが大村君に絡んでいる最中、私は二人を交互に見つめながらー二人の過去に何があったのか、そんな考えを繰り広げていた。
そして終電の少し前、私達は解散になった。
ハルさんと私達は、新宿三丁目で二人とお別れ。
手を振りながら、私達は地下への階段を下っていく。
「沙絵ちゃん…どう思う?」
階段を下りきった瞬間、ノリ君がいきなり切り出した。
「うーん、何か二人怪しいよね……」
大村君、住まいは西武線だと言っていたのにわざわざこっちまで見送りにくるなんて。