蛍火に揺れる
「まぁ菅原さんってそこそこ美人で仕事できるけど、それに似合わず謙虚…ってか卑屈な面もあるからね。まだ大村のこと信じ切れてないのかもとは思ってる。
 仕事に関してもそうだし、もうちょっと自信つけて欲しいんだよね」


そう言われると、再度頷かずには居られない。

菅原さんってそこそこ可愛い見た目をしてるのに、何だろうか…もうちょっと堂々とした立ち振舞いをしてもバチは当たらないし、むしろそれぐらいして欲しいと思う人は多いんじゃないかな?なんて。


「じゃああれだね。大村君が『広報向いてる』っていうんだったら、そこで自信つけてくれればいいんだけどね……」

「僕もそれは思うけど…あれだなぁ。『篭の中の鳥』にならなきゃいいけどね」

籠の中の鳥。
何とも絶妙な例えで、私は一瞬にして大村君の掌で踊らされている菅原さんが思い浮かんだ。
まぁ、確かにあり得そうだよなぁ……。


(菅原さん……頑張れよー……)

私は心の奥底から、彼女が大村君に負けないことを密かに願っておくことにした。
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