水曜日は図書室で
コンタクトも無事に買えた。
かけてきていた眼鏡はコンタクトの箱の入った紙袋に、眼鏡拭きの布に包んでそのまま入れてもらって、さらにコンタクトに慣れる意味でも、このまま街へ出て、家まで帰ることになった。
「さ、どこへ行こうかな。疲れただろうからお茶でも……」
言いかけた留依だったけれど、ひとつ行きたいところが美久にはあるのだった。
「あのね、留依ちゃん。もうひとつお願いがあるんだけど……」
もじもじとしてしまったけれど、留依は「ん? なぁに?」と言ってくれた。
そこで美久の気持ちは決まった。ぐっとこぶしを握る。
顔をあげて留依を見た。
見えるようになった、新しくなった世界で。
「あのね、新しいお洋服、見るの……付き合ってくれないかな」
美久から言ったのは初めてだった。留依はもちろん、目を丸くした。
けれど、すぐにふっとその目元がゆるむ。
「いいじゃん! 見に行こ!」
美久が言った言葉の意味。留依はわからなかったわけがないだろう。
見たいのはただの『服』ではない。
オシャレをするための『お洋服』。
もう一歩。進みたい。
美久のそういう決意を込めた言葉。
「近くに安くてかわいいお店があるの! そこはどう?」
「う、うん! 行ってみたい!」
一歩踏み出す前に、留依は美久を見た。にこっと笑って、手を差し出してくれる。
美久はちょっとどきっとしたけれど、すぐに自分も笑顔になった。
留依の手を取る。あたたかくて、テニスをしているのでしっかりとした留依の手。
いつも自分を引っ張っていってくれた手。これからも一緒にいてくれるだろう。
でも、もう引っ張られるだけになるのはおしまいにしよう。
一緒に並んで歩いていくのだ。大切な親友として。
きゅっと手を繋いでコンタクト屋さんのあるビルを出て、外へ出る。
十二月の外はずいぶん風が冷たかったのに、美久の心の中はむしろぽかぽかと熱を持ったように熱かった。
かけてきていた眼鏡はコンタクトの箱の入った紙袋に、眼鏡拭きの布に包んでそのまま入れてもらって、さらにコンタクトに慣れる意味でも、このまま街へ出て、家まで帰ることになった。
「さ、どこへ行こうかな。疲れただろうからお茶でも……」
言いかけた留依だったけれど、ひとつ行きたいところが美久にはあるのだった。
「あのね、留依ちゃん。もうひとつお願いがあるんだけど……」
もじもじとしてしまったけれど、留依は「ん? なぁに?」と言ってくれた。
そこで美久の気持ちは決まった。ぐっとこぶしを握る。
顔をあげて留依を見た。
見えるようになった、新しくなった世界で。
「あのね、新しいお洋服、見るの……付き合ってくれないかな」
美久から言ったのは初めてだった。留依はもちろん、目を丸くした。
けれど、すぐにふっとその目元がゆるむ。
「いいじゃん! 見に行こ!」
美久が言った言葉の意味。留依はわからなかったわけがないだろう。
見たいのはただの『服』ではない。
オシャレをするための『お洋服』。
もう一歩。進みたい。
美久のそういう決意を込めた言葉。
「近くに安くてかわいいお店があるの! そこはどう?」
「う、うん! 行ってみたい!」
一歩踏み出す前に、留依は美久を見た。にこっと笑って、手を差し出してくれる。
美久はちょっとどきっとしたけれど、すぐに自分も笑顔になった。
留依の手を取る。あたたかくて、テニスをしているのでしっかりとした留依の手。
いつも自分を引っ張っていってくれた手。これからも一緒にいてくれるだろう。
でも、もう引っ張られるだけになるのはおしまいにしよう。
一緒に並んで歩いていくのだ。大切な親友として。
きゅっと手を繋いでコンタクト屋さんのあるビルを出て、外へ出る。
十二月の外はずいぶん風が冷たかったのに、美久の心の中はむしろぽかぽかと熱を持ったように熱かった。