水曜日は図書室で
二人で閉じ込められて
「なんだそりゃ!? じゃ、俺たちはここに閉じ込められたってことか」
事情を聞いた快は目を丸くした。それは当然だろう、こんなところに閉じ込められた、なんて事実を聞かされたら。
「ごめんなさい、私のせいで……」
ひと通り事情を話した美久は目を伏せた。ここへ閉じ込められたのは自分のせいではないが、快を巻き込んでしまったのはどうやら自分のせいらしいのだ。
快はバスケ部で使う道具を取りに、この用具室へやってきていたそうだ。探すのに手間取って、奥のほうまで探して……としていたので、入り口でのできごとは気付かなかったということだ。
美久も同じだ。あの状況に戸惑いすぎていて、奥に誰かひとがいるなんてこと、思いつきもしなかった。
でもわかっていれば、「ほかのひともいるんだから!」とあかりを止めることができたかもしれない。そう思ってうなだれてしまったのだけど、快はきっぱりと否定した。
「綾織さんのせいじゃないだろう! くそ、あかりめ……なんてことしやがる」
言いつけるようで気が引けたのだが、言わないわけにはいかない。あかりとその友達によってここへ閉じ込められてしまったのだと。
快は『信じられない』という顔をしたものの、美久に嘘をつく理由なんてないのだ。
それに快だって、少しは感じていただろう。自分が美久と仲良くすることで、あかりがおもしろくないと感じていたことだって。それほどにぶいひとではないから。
「しまったな……鍵を持ってくればよかった。ああ、でも結局内側からじゃ鍵があっても無意味か」
快も動揺していたらしい。そのように言って、すぐ自分で否定した。
「窓から出られるかな」
快は立ち上がって、美久と同じように、窓から出られないか考えたらしい。窓の様子を見ると言った。
そこにあった棚に足をかけて「よっと」と窓へしがみつく。美久はそれを見てはらはらしてしまった。
落っこちてしまったらどうしよう。怪我をしてしまうだろう。
けれど快は落ちることはなかった。
でも解決策も見つからなかったらしい。
しばらく窓から外を見ていたけれど、首を小さく振って、慎重に降りて戻ってきた。
「ダメだ、出られないことはないだろうが、外が問題だ。この窓からだと、建物の二階から飛び降りるくらいには高さがある。飛び降りるのは無謀だと思う」
「そう、……だよね……」
快は美久の隣へきて、どさっと腰を下ろした。積んでいたマットらしきものに座っていた美久の隣へ座る。
「綾織さんに怪我をさせるわけにはいかないからな」
言ってくれたこと。そんな場合ではないのに、美久の胸を高鳴らせてしまった。
自分のことを心配してくれるのだ。こんなときなのに。
事情を聞いた快は目を丸くした。それは当然だろう、こんなところに閉じ込められた、なんて事実を聞かされたら。
「ごめんなさい、私のせいで……」
ひと通り事情を話した美久は目を伏せた。ここへ閉じ込められたのは自分のせいではないが、快を巻き込んでしまったのはどうやら自分のせいらしいのだ。
快はバスケ部で使う道具を取りに、この用具室へやってきていたそうだ。探すのに手間取って、奥のほうまで探して……としていたので、入り口でのできごとは気付かなかったということだ。
美久も同じだ。あの状況に戸惑いすぎていて、奥に誰かひとがいるなんてこと、思いつきもしなかった。
でもわかっていれば、「ほかのひともいるんだから!」とあかりを止めることができたかもしれない。そう思ってうなだれてしまったのだけど、快はきっぱりと否定した。
「綾織さんのせいじゃないだろう! くそ、あかりめ……なんてことしやがる」
言いつけるようで気が引けたのだが、言わないわけにはいかない。あかりとその友達によってここへ閉じ込められてしまったのだと。
快は『信じられない』という顔をしたものの、美久に嘘をつく理由なんてないのだ。
それに快だって、少しは感じていただろう。自分が美久と仲良くすることで、あかりがおもしろくないと感じていたことだって。それほどにぶいひとではないから。
「しまったな……鍵を持ってくればよかった。ああ、でも結局内側からじゃ鍵があっても無意味か」
快も動揺していたらしい。そのように言って、すぐ自分で否定した。
「窓から出られるかな」
快は立ち上がって、美久と同じように、窓から出られないか考えたらしい。窓の様子を見ると言った。
そこにあった棚に足をかけて「よっと」と窓へしがみつく。美久はそれを見てはらはらしてしまった。
落っこちてしまったらどうしよう。怪我をしてしまうだろう。
けれど快は落ちることはなかった。
でも解決策も見つからなかったらしい。
しばらく窓から外を見ていたけれど、首を小さく振って、慎重に降りて戻ってきた。
「ダメだ、出られないことはないだろうが、外が問題だ。この窓からだと、建物の二階から飛び降りるくらいには高さがある。飛び降りるのは無謀だと思う」
「そう、……だよね……」
快は美久の隣へきて、どさっと腰を下ろした。積んでいたマットらしきものに座っていた美久の隣へ座る。
「綾織さんに怪我をさせるわけにはいかないからな」
言ってくれたこと。そんな場合ではないのに、美久の胸を高鳴らせてしまった。
自分のことを心配してくれるのだ。こんなときなのに。