水曜日は図書室で
本の話のあとは、学校の話なんて何気ない話になった。
そこで美久は思い出す。快に話していないことがあったことを。
用具室に閉じ込められた一連の騒動で流れてしまっていたけれど、美久の書いていた短編小説。出そうと思っていたコンテストの締め切りはとっくに過ぎていた。
騒動の中だったけれど、早めに進めていたことが良かったようだ。
なんとか提出締切に間に合うように出すことができて。今は結果待ち。
快に話すのも遅くなってしまった。なので申し訳なく思いつつも、美久は「ごめんなさい、あとから報告なんてことになっちゃったんだけど……」と、事情を話した。
快はちょっと目を丸くした。けれどすぐに言ってくれる。
「そうだったのか。あのときはばたばたしてたもんな」
でもそのあとにすぐにこっと笑ってくれたのだ。
「じゃ、せっかくだから結果が出てからじっくり読ませてもらおうかな」
嬉しかったけれど、美久はその期待にあわあわとしてしまう。
「そ、そんな構えられると恥ずかしいんだけど……」
「そんなことないだろ。美久の精一杯の作品だ。きっと素敵だと思う」
美久の動揺をやわらかに否定して、肯定してくれる快。やはりとても優しいひとなのだった。
コンテストの結果がどうなるかなんてわからない。
正直、自信はない。ここまでずっと落ち続けているのだから。
でも頑張って書いたのだ。
読んでくれるのを楽しみにしている、なんて言ってくれた快に見せるのだけは……ちょっと楽しみになってしまったのだった。
そこで美久は思い出す。快に話していないことがあったことを。
用具室に閉じ込められた一連の騒動で流れてしまっていたけれど、美久の書いていた短編小説。出そうと思っていたコンテストの締め切りはとっくに過ぎていた。
騒動の中だったけれど、早めに進めていたことが良かったようだ。
なんとか提出締切に間に合うように出すことができて。今は結果待ち。
快に話すのも遅くなってしまった。なので申し訳なく思いつつも、美久は「ごめんなさい、あとから報告なんてことになっちゃったんだけど……」と、事情を話した。
快はちょっと目を丸くした。けれどすぐに言ってくれる。
「そうだったのか。あのときはばたばたしてたもんな」
でもそのあとにすぐにこっと笑ってくれたのだ。
「じゃ、せっかくだから結果が出てからじっくり読ませてもらおうかな」
嬉しかったけれど、美久はその期待にあわあわとしてしまう。
「そ、そんな構えられると恥ずかしいんだけど……」
「そんなことないだろ。美久の精一杯の作品だ。きっと素敵だと思う」
美久の動揺をやわらかに否定して、肯定してくれる快。やはりとても優しいひとなのだった。
コンテストの結果がどうなるかなんてわからない。
正直、自信はない。ここまでずっと落ち続けているのだから。
でも頑張って書いたのだ。
読んでくれるのを楽しみにしている、なんて言ってくれた快に見せるのだけは……ちょっと楽しみになってしまったのだった。