水曜日は図書室で
クレーンゲームの中のクマ
カフェを出てからは街中を探索した。もう帰るまでに二時間弱しかないからだ。
目的地を決めずに街中を見て歩くのも楽しかった。
だって隣に快がいるのだし、おまけにしっかり手を繋いでいてくれるのだ。楽しくないわけがない。
美久はあまり遊ぶお店には詳しくなかった。ゲームセンターなども入ったことがない。
中学生まではお母さんにとめられていたし、高校生になっても自分であまり興味がなかったので入ってみることもなかった。
快はそういう話も聞いてくれた。
「そうなのか。じゃあ入ってみるか」
提案されて、美久はどきどきしてしまったのだけど、「とりあえず一階だけ」と言われたので快についていって自動ドアをくぐった。
明るい音楽が流れていて、店員さんの楽しそうな声もする。
『ペンペンちゃんのぬいぐるみゲットでーす! おめでとうございまーす!』
『かしこまりましたー! すぐ参りまーす!』
そんななんでもない言葉が、マイクかなにかで大きく発されているだけで特別感を感じてしまった。
「一階はクレーンゲームなんだ」
確かにハコのような機械の中にはぬいぐるみなんかが入っている。美久も知っているキャラクターのものもあれば、普通の犬やウサギのぬいぐるみもある。
「あ、これ……」
美久が目をとめたのはひとつの『ハコ』だった。そこにはクマのぬいぐるみが入っている。
「お、ゆるりクマ好きなのか?」
有名なキャラクターなので快もすぐにわかったのだろう。
くったりとしたポーズをしていることが多い、クマのキャラクター。
「うん、ちょっとだけグッズとか持ってて……」
シャーペンやメモくらいであるけれど、好きなキャラクターだった。小学生の頃から好きで、思い入れもある。
「こういうところにも入ってるんだ」
「ああ、結構プライズ……あ、こういう景品のこと『プライズ』っていうんだけど。それでもよく見るよ」
知らない世界がまた広がってしまった。今回連れてきてくれたのは快だ。
「せっかくだから試してみるか?」
快に言われたことには、あわあわとしてしまったけれど。
「えっ、きっと難しいよ……」
「そんなことないさ。コレ、小さいしたくさん積んであるから落ちてきやすいやつだし」
自分がこんなもので遊ぶことになるとは思わなかった。
快は「じゃ、まず俺がやってみるよ」と言って、百円玉を入れた。すぐに機械から華やかな音楽が流れだす。
目的地を決めずに街中を見て歩くのも楽しかった。
だって隣に快がいるのだし、おまけにしっかり手を繋いでいてくれるのだ。楽しくないわけがない。
美久はあまり遊ぶお店には詳しくなかった。ゲームセンターなども入ったことがない。
中学生まではお母さんにとめられていたし、高校生になっても自分であまり興味がなかったので入ってみることもなかった。
快はそういう話も聞いてくれた。
「そうなのか。じゃあ入ってみるか」
提案されて、美久はどきどきしてしまったのだけど、「とりあえず一階だけ」と言われたので快についていって自動ドアをくぐった。
明るい音楽が流れていて、店員さんの楽しそうな声もする。
『ペンペンちゃんのぬいぐるみゲットでーす! おめでとうございまーす!』
『かしこまりましたー! すぐ参りまーす!』
そんななんでもない言葉が、マイクかなにかで大きく発されているだけで特別感を感じてしまった。
「一階はクレーンゲームなんだ」
確かにハコのような機械の中にはぬいぐるみなんかが入っている。美久も知っているキャラクターのものもあれば、普通の犬やウサギのぬいぐるみもある。
「あ、これ……」
美久が目をとめたのはひとつの『ハコ』だった。そこにはクマのぬいぐるみが入っている。
「お、ゆるりクマ好きなのか?」
有名なキャラクターなので快もすぐにわかったのだろう。
くったりとしたポーズをしていることが多い、クマのキャラクター。
「うん、ちょっとだけグッズとか持ってて……」
シャーペンやメモくらいであるけれど、好きなキャラクターだった。小学生の頃から好きで、思い入れもある。
「こういうところにも入ってるんだ」
「ああ、結構プライズ……あ、こういう景品のこと『プライズ』っていうんだけど。それでもよく見るよ」
知らない世界がまた広がってしまった。今回連れてきてくれたのは快だ。
「せっかくだから試してみるか?」
快に言われたことには、あわあわとしてしまったけれど。
「えっ、きっと難しいよ……」
「そんなことないさ。コレ、小さいしたくさん積んであるから落ちてきやすいやつだし」
自分がこんなもので遊ぶことになるとは思わなかった。
快は「じゃ、まず俺がやってみるよ」と言って、百円玉を入れた。すぐに機械から華やかな音楽が流れだす。