水曜日は図書室で
駅の前に来た。夕方なのでライトがついていた。
ライトといっても綺麗にセッティングされたものだ。
クリスマスのイルミネーションはもう終わってしまっているけれど、青白いひかりのライトアップがされている。
「きれいだね」
美久の声はうっとりとしたものになった。こんなきれいなものを快と見られるなんて。
きゅっと美久の手が握られた。快の手のあたたかさがもっと強く伝わってくる。
「ああ。……美久」
声をかけられて、美久は快のほうを見た。その美久に、快はにこっと笑って、手を離す。
しっかり握られた手がすかっとしてしまったけれど、すぐに構っている場合ではなくなった。
快がポケットに入れた手。そこになにかが握られていたのだから。
「これ。プレゼントだ」
「……えっ?」
それはピンク色の小さな包みだった。赤いリボンがつけてある。
美久は目をぱちぱちさせてしまった。プレゼント……?
「え、どうして?」
「今日はとっても楽しかったから、記念になればと思って」
おどろきのあとにはまたどくどくと心臓が騒いでしまう。
これ、いつのまに……最初から持ってたのかな。
ちょっと動揺しつつも考えた美久だったけれど、すぐに思い至った。
自分がお手洗いに行ったときのことだろう。そういえば近くに雑貨屋さんがあった、気がする。
短い時間しかなかっただろうに、その間にこんな綺麗なものを用意してくれるなんて。
「で、でも私……もうゆるりクマちゃんももらっちゃったし」
またあわわと言ってしまったけれど、快は首をかしげて、そして言ってくれた。
「じゃ、次は美久がなにか記念になるものを探してくれよ」
それは『なにかが欲しい』というよりは、『二人の想い出が欲しい』という言い方だった。その口調と声だけで美久はわかってしまう。
かあっと胸が熱くなった。快が二人のこの時間を大切にしてくれていたのだと感じられて。
すぐに頷いた。
「う、うん! 探してみるね」
快は「ありがとう」とにこっと笑って、そして「開けてみてくれよ」とうながしてきた。
綺麗な包装を開けてしまうのはもったいないような気もしたが、中身も気になる。美久はテープをはがして袋の口を開けた。中から出てきたのは。
ライトといっても綺麗にセッティングされたものだ。
クリスマスのイルミネーションはもう終わってしまっているけれど、青白いひかりのライトアップがされている。
「きれいだね」
美久の声はうっとりとしたものになった。こんなきれいなものを快と見られるなんて。
きゅっと美久の手が握られた。快の手のあたたかさがもっと強く伝わってくる。
「ああ。……美久」
声をかけられて、美久は快のほうを見た。その美久に、快はにこっと笑って、手を離す。
しっかり握られた手がすかっとしてしまったけれど、すぐに構っている場合ではなくなった。
快がポケットに入れた手。そこになにかが握られていたのだから。
「これ。プレゼントだ」
「……えっ?」
それはピンク色の小さな包みだった。赤いリボンがつけてある。
美久は目をぱちぱちさせてしまった。プレゼント……?
「え、どうして?」
「今日はとっても楽しかったから、記念になればと思って」
おどろきのあとにはまたどくどくと心臓が騒いでしまう。
これ、いつのまに……最初から持ってたのかな。
ちょっと動揺しつつも考えた美久だったけれど、すぐに思い至った。
自分がお手洗いに行ったときのことだろう。そういえば近くに雑貨屋さんがあった、気がする。
短い時間しかなかっただろうに、その間にこんな綺麗なものを用意してくれるなんて。
「で、でも私……もうゆるりクマちゃんももらっちゃったし」
またあわわと言ってしまったけれど、快は首をかしげて、そして言ってくれた。
「じゃ、次は美久がなにか記念になるものを探してくれよ」
それは『なにかが欲しい』というよりは、『二人の想い出が欲しい』という言い方だった。その口調と声だけで美久はわかってしまう。
かあっと胸が熱くなった。快が二人のこの時間を大切にしてくれていたのだと感じられて。
すぐに頷いた。
「う、うん! 探してみるね」
快は「ありがとう」とにこっと笑って、そして「開けてみてくれよ」とうながしてきた。
綺麗な包装を開けてしまうのはもったいないような気もしたが、中身も気になる。美久はテープをはがして袋の口を開けた。中から出てきたのは。