雪に咲く華
そんなこんなで道具と軍手と、ついでにエプロンも借りて作業を始める。
久々に触るから、さっきからワクワクが止まらない。
持ってきてもらった道具を使い分けながら小さな部品をあちこち触っていく。
整備は久しぶりだったけど、体が感覚を覚えていてものの15分で終わらせることが出来た。
「よし、完成!」
「お、お前バイクいじりなんてできたのか?」
「え!?あ、はい、できますけど」
びっくりした...。うしろで覗き込んでいたのはいつの間にか降りてきていた小早川くんだったらしい。てっきり理だと思ってた。
その理はといえば、エンジンをふかしたりして感触を確かめているようだ。
「葵さん、ありがとうございました。前より調子いいくらいです」
「それはよかった」
「見たことないやり方でしたけど自己流ですか?」
「うん、そうみたい。私も友達に教えてもらっただけなんだけど。」
「そうなんですか!今度俺にも教えてください!」
「いいよ」
私が返事をすれば、理は嬉しそうにニコッと笑った。