雪に咲く華


「信乃は手先器用だから料理もできるしスポーツも万能!だから話も合ってさー。で、半年後くらいに友達として紹介されたのが永和くんたちだったわけなの」

「ふーん。みんなのこと双龍だって知ってた?」

「それが全然!倉庫に行って、一通り自己紹介した後に初めて知りました」

「咲ちゃんてば、女の子が暴走族の傍にいることの意味も知らなくてね?姫にならないかって聞いたら逆に『劇でもするんですか?』って首傾げられちゃった」


あの時のことを思い出してか、みんなして肩を震わせて笑ってる。颯だけはちょっと居心地悪そうな顔してるけど。まあ初対面はあんまいい思い出じゃないもんね。


「だから、最初の頃はよく暴走族のこととか説明してやったんだよ。今でもたまに忘れてたりするけどな!」

「うるさいよ真」


なんとなく真にだけは拳骨を落としておく。思ったより聞いたらしく、声も出ないほど悶絶する真を見て少し落ち着くことができた。


< 27 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop