雪に咲く華
2章
動き出す影
葵side
テストも無事終わって夏休みに入った。私は相変わらず毎日倉庫に通い続けている。そして嵐は唐突にやってきた。
「お前ら!海行こうぜ!」
部屋に入ってくるなり叫んだ真。ここ最近暇だのなんだのとぼやいていた張本人だ。
「急にどうしたんだよ」
「ずっと倉庫にいてもすることねえだろ。暑いし海にでも泳ぎに行こうぜ!」
「泊りで?」
「当然!」
「どうする?永和」
「ま、いんじゃねえか。ずっと倉庫にいるのも暇だろ」
突然のことだったのに、いともあっさり決定してしまった。
次の日の早朝に集合して、電車に揺られること1時間。