君の世界を知りたかった。
結局私は宇佐美君と相合傘で帰ることになってしまった。

はぁ〜。なんでこうなるんだろ。

さっきからずっと無言だ。気まずすぎる。

なにか話題を……あ、そうだ!



「う、宇佐美君はなんであの時間帯に学校にいたの?」

「俺は先生に頼まれた用事があったから。」

「そ、そう」



う、一瞬にして会話が途切れた。


宇佐美君ももうちょっと話題を考えてくれればいいのに。


「私は図書室に用事があったから残ってたんだ。


「へぇ。」


まって、「へぇ」はないでしょ、「へぇ」は!!



また何か話題を……。




「あ!宇佐美君さっき私の事おとなしそうだと思ったって言ってたけど、どーゆう事?私、恐く思われる事しかないんだけど」

「俺、春休み明け今日が初登校なんだよ。それで今日の朝、お前を見た時派手でうるさそうだと思った。」

「じゃあ、なんでおとなしそうなんて思ったの?」

「あの派手なグループの中でお前が1番浮いてたからだ。」

「浮いてる?私が?」

「そうだ。完全に自分を見失ってるって顔をしてた。助けを求めてるように見えたんだ。」



そんなこと分かるの?

まるで心の奥の奥まで見抜かれている気がする。



「はぁ?なにそれ、意味わかんないんだけど」

「……俺とお前は似てるな」

「な、ど、とこがよ!正反対じゃん!私は全部が派手だけど、宇佐美君はクールで真面目って感じでしょ?似てるとこなんて1つもないよ」

「それはお前がそう思ってるだけだろ。俺は真面目ではない」

「……あの、まず、お前って呼ぶのやめてもらいます?私の名前お前じゃないんで」

「……三井だろ」



え、知ってたんだ。



「俺と三井は似たもの同士だ。多分な」

「……意味わかんない」
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