八神くんのお気に入り
お店の出入り口の外で立ち止まった。
ここで待ってよ。
顔を上げると、青空が広がっている。
春の風が気持ちいい。
八神くん…5組かぁ。
修学旅行もあるから、八神くんと同じクラスが良かったなぁ。
菫なら八神くんと同じグループになる事、絶対嫌がんないだろうし…。
「小早川さん!」
後ろから聞こえた声に、私は振り返った。
その瞬間、ほっぺたに柔らかいものが当たった。
「へ?」
隣には満足気な表情の八神くん。
「??」
訳がわからず、ほっぺたに当たっているものを触ると、
「え…」
両手に収まるくらい小さな、リスのぬいぐるみがそこにあった。
フワフワしてて可愛い。