八神くんのお気に入り
「これ…?」
「やる」
「…どうし、て…?」
「これ見た瞬間、小早川さんが思い浮かんだから」
「え…」
「それに、大事なキーホルダー無くしたって言ってただろ?」
そう、だけど…
「小早川さんにはいろいろ無理させてたみてぇだから」
その言葉に私は頭を横に振った。
「俺と仲良くしてくれてサンキューな」
そう言って頭をポンポンと撫でてくれた八神くん。
照れ臭くて、なんだか恥ずかしい。
小さくて、
フワフワしてて、
可愛いリスのぬいぐるみ。
キーホルダー無くして、すごくショックだったけど…今はその倍以上に嬉しい。
自分で自分が単純だなって思うけど
嬉しすぎて、涙が出ちゃいそうだよ…。
私はリスのぬいぐるみを抱きしめた。
「ありがとう八神くん。すっごく嬉しいよ、大事にするね」