八神くんのお気に入り

「これ…?」

「やる」

「…どうし、て…?」

「これ見た瞬間、小早川さんが思い浮かんだから」

「え…」


「それに、大事なキーホルダー無くしたって言ってただろ?」


そう、だけど…



「小早川さんにはいろいろ無理させてたみてぇだから」


その言葉に私は頭を横に振った。



「俺と仲良くしてくれてサンキューな」


そう言って頭をポンポンと撫でてくれた八神くん。





照れ臭くて、なんだか恥ずかしい。



小さくて、

フワフワしてて、

可愛いリスのぬいぐるみ。



キーホルダー無くして、すごくショックだったけど…今はその倍以上に嬉しい。



自分で自分が単純だなって思うけど

嬉しすぎて、涙が出ちゃいそうだよ…。




私はリスのぬいぐるみを抱きしめた。



「ありがとう八神くん。すっごく嬉しいよ、大事にするね」


< 124 / 511 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop