八神くんのお気に入り
突然、八神くんに両肩を掴まれた。
「え、な、何?」
ビックリしたんだけど、八神くんの表情の方が私以上にビックリしてた。
??
かと思えば、私の肩を掴んだまま急に頭を下げたんだ。
???
「八神…くん?」
「反則だろ」
「…?」
ドキッ
顔を上げた八神くんと至近距離で視線が絡む。
「小早川さんの笑顔、初めて見た」
「そ、そんなこと…」
「さっき、ちょっと笑ってるのは見れたけど、いつも小早川さん泣いてたから」
あ…
言われてみれば、たしかにそうかも。
初めて会った時も、噂が流れた時も…
私、八神くんの前ではいつも泣いてた…。
「くっそ可愛い」
ドキッ
「もう1回見せて?」
そ、そんな急に言われても…。
それに、恥ずかしい。