八神くんのお気に入り
可愛いは罪
《 side-Sumire 》
莉子が出してくれたプリクラを見るのは何度目だろう。
別に自慢するような子じゃないから、莉子が自分から出してくる訳じゃない。
話の流れでそうなったり、私が見たいから見せてもらったりしている。
でもまさかあの日、八神とプリクラ撮ってるなんて思わなかった。
冗談半分で
“デートがんば♡♡”
って送ったつもりだったのに…。
「それにしてもさー」
私は机の上にプリクラを置き、向かいの席に座って弁当を片付けている莉子に声をかけた。
「八神って相当莉子のこと気に入ってるよね」
「へ!?」
莉子のおっきくて丸い目が、更に大きくなった。
莉子、知ってるのかな?
……。