八神くんのお気に入り
あ。
でも強いて言うなら、金髪の原田 陸(リク)とは一緒にいるかも。
そっちの方がまだ見るわ。
女子と話してるところ一切見ないけど、莉子だけには自分から行ってるみたいだし…。
やっぱり、気に入ってるって言葉が1番合う。
「あ」
言ってるそばから…
小さく笑う私に莉子はキョトンとしている。
「八神が来たよ」
八神がいる教室のドアの方に視線を持っていき、莉子と目を合わせる。
「へ!?」
振り向いた莉子は慌てて椅子から立ち上がり、八神の元へ駆け寄った。
頬をピンクに染め、可愛い声出しちゃって…。
1人になった私は、頬杖をついて窓の外の景色を見た。
青い空に白い雲。
恋してんなぁ…。
莉子の気の抜けた“へ”って言葉好きだなぁ。
癒し。
今日も平和だ。