八神くんのお気に入り
すぐに戻ってきた彼は、ドカッと私の前に座った。
ひー
「で、君が例の葵ちゃん?」
「へ?」
黒髪の彼はポテトを食べながら私を見ていた。
私に言ってる……んだよね?
「違います。葵じゃ─……」
突然、右隣に座っている銀髪の彼に足を蹴られた。
「いや、すみません。葵です」
「へぇ」
ニッコリと笑ってるんだけど、その笑みが怖い。
「胸がでかいんだってね?触らしてよ」
「へ?」
今何て……?
「なー八神、一回ヤらしてよ。葵ちゃん俺のタイプ」
な、何言ってるの?
私の聞き間違い??
「今度俺の女貸すからさ」
“女を貸す”って……
私達女の子を何だと思ってるの!?
最低。
いつもこんな事してるって言うの??
やっぱり彼等に関わりたくない。
出来る事なら今すぐ帰りたい。