八神くんのお気に入り
その後ろを原田くんが通った。
…え?
ちょっと待って!!
みんな何のためらいもなく通ったんだけど、これ普通なの!?
両端で頭を下げてるんだよ?
通りづらいくないの??
…って、待って。
置いてかないで!
そこを1人で通るのは嫌!
私はバタバタと足音を立てて、原田くんを追いかけた。
渡り終えた私は、気になって恐る恐る振り返る。
…ですよねー。
両端にいたヤンキー達は、今度は綺麗に横に並んで頭を下げていた。
莉子の隣を歩く八神の後ろ姿を見た。
八神…私はあんたの凄さを改めて実感したよ。
そんな事を思いながらみんなの後ろを歩き、階段を降りて行った。