八神くんのお気に入り
「きゃっ」
隣にいた莉子がバランスを崩して、急に前に出てきた。
頭から八神に突っ込んだ莉子は、支えてもらって転けずに済んだ。
ビックリしたー。
莉子ってば急に前に出てくるんだもん。
どこに躓いたのよ。
って、言うか八神大丈夫なの?
さっきの女の子より、だいぶ痛いんじゃないかな。
莉子、頭だよ?
頭突きされたようなもんだよ…。
「ご、ごめんなさい!」
慌てて八神から離れた莉子は顔を真っ赤にしていた。
乱れた髪の毛で頭を押さえてる。
「痛かったよね??ごめんね??」
真っ赤で涙目の莉子。
プチパニック起こしてるんだ。
「別に。小早川さんは?」
「へ?」
「怪我してない?」
八神の言葉に莉子はコクコクと頷いていた。
そんな莉子に、八神は頭を撫でた。