八神くんのお気に入り
はい。
さっきの女の子との差!!
やっぱり八神、莉子の事気に入ってるね〜。
あからさまに扱いが違うわ。
ふふ。
緩む口元を手で隠し、莉子の隣に行った。
「大丈夫?」
「うん…八神くんが助けてくれたから…」
「そっか。良かったね」
そう言って私は莉子の肩を叩いた。
ニヤニヤするから、無意識に叩く力が強くなっていたみたいで
「痛い痛い」
莉子の言葉に叩く手を止めた。
「あ、ごめん」
私はさっきから一言も話さない原田くんをチラッと見た。
もしかしてだけど…
「原田くんもいるの?」
「いたら悪いかよ」
怠そうに答えた原田くんは、愛想のカケラもない。