八神くんのお気に入り
「さっきから無言で気まずいから話しかけてあげたって言うのに…!」
「頼んでねぇ」
うっわ。
私は怒りで震えだす。
「だったら一生黙ってなさい!!」
その言葉に返ってくる返事は無かった。
何なのこいつ!!
ムカつくムカつく!!
何様のつもり?!
だったら一緒に帰らなくても良くない?!
もームカつくー!!
私は原田くん…いや、あいつに“くん”なんて付ける必要はない。
もう原田でいいや。
原田がいる反対側に顔を向けた。
「あんたさ」
話しかけてくるんかーい。
「いつも本屋にいるだろ」
…は?
「いつもはいないけど」
その言葉に原田は睨んできた。
だってほんとの事じゃん!
いつも本屋に行くとか、立ち読み常習犯か。