八神くんのお気に入り
「もう!脅かさないでよ!」
全く何の事かわからない佐々木くんは、目をパチパチしている。
佐々木くんの相手をしてる場合じゃない。
私は再び教室をこっそり覗く。
「何してるの?」
私の隣からヒョコッと出てきた佐々木くんに、またビックリした。
「小早川さんビックリしすぎ」
そう言いながら佐々木くんはクククッて笑っていた。
「もう!邪魔しないで…!」
向こうに行ってほしくて、私はグイグイ佐々木くんの肩を押した。
それでもまだ佐々木くんは笑っている。
もう!
菫に気付かれちゃうよ〜!
「で、何してるの?」
私の真似をするように教室を覗いた佐々木くん。
「あれ…?」
佐々木くんも気付いたみたい。