八神くんのお気に入り
バス停を通り過ぎて、雨宿り出来そうな場所を探す。
土砂降りの雨に、水溜りが出来るのも早かった。
バシャバシャと弾く水が、靴下を汚していく。
あ!
たしか、もう少し行った所に神社があったはず…!
そこで雨宿りしよう。
鳥居をくぐって真っ先に屋根のある神社に向かった。
「ハァハァ…」
乱れた呼吸を整えて、私は両手を合わせ目を閉じた。
神様、少しだけ雨宿りさせてください。
「……」
ふぅ…。
ザーザーと音を立てて降る雨を見つめた。
雨…止まないのかなぁ。
ポタポタと雫が落ちていく。
全身びしょびしょだよ…。
変わるわけじゃないけど、両手を振って水を飛ばす…
けど、
飛ばないか…。