八神くんのお気に入り

雨でくっついたセーラー服を引っ張って、離すとまたくっついて…


それを何回か繰り返した。




静かだなぁ。



雨の音しか聞こえない。



誰もいるわけないもんね…



…少しでもいいから雨、止まないかなぁ。





ジャリッ


「!?」


背後から聞こえた音に私は勢いよく振り返った。




え?


そこには誰もいない。



ジャリッ



ジャリッ



……っ


近付いてくる音に、心臓がバクバクしてくる。



だ、誰!?



スッと出てきたのは、

「八…神くん…?」


驚いて、目を見開いた八神くんがそこにいた。



「何で、ここに?」

「八神くんこそ…!」


黒色に金のラインが入っているジャージは、八神くんの銀色の髪をより一層綺麗に見せて、すごく似合ってる。



スラっとしてて、スタイルの良さが際立つ姿。



それに

普段見ない服装に、かっこいいと思ってしまった。


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