八神くんのお気に入り

フワッと香る石鹸の香りに顔を上げた。



優しく包み込むように、肩に掛けられた黒のジャージ。



「だ、ダメだよ!濡れちゃう…!」


肩に掛けられたジャージを取ろうとしたけど、八神くんに阻止された。


「いいから」


そう言った八神くんはバサッと青色のシャツを脱いだ。



「!?」


私は慌てて顔を隠した。



な、何!?


何で八神くん脱いだの!?



1人でパニックを起こしていると、頭の上に何か落ちてきた。


“何?”って思う暇も無く、“その何か”越に頭をワシャワシャされた。



「え…何??」


私はワシャワシャする手を掴んだ。


その掴んだ骨ばった手に、ドキッとしてしまう。




顔を上げると八神くんと目があった。


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