八神くんのお気に入り

「や、やっぱり返す…!」


私は顔を上げて、肩に掛けられたジャージを取った。


それを八神くんの前に出す。



私と目を合わせた八神くんは頭の上にあるシャツを取り、バサッと1回大きく振った。



お、怒ってる…?


でもこれ以上は…

いろいろヤバい気がして…。




私の頭を拭いた青いシャツを、何事も無かったように着た八神くん。




「濡れて…」


私が話し出すのと同じタイミングで、スカーフで作った胸元にあるリボンを、八神くんはトンッと押した。



…え?



「透けてるから」

「…へ?」


八神くんの言葉にセーラー服へと視線を移すと、ピンクのチェック柄が見えた。


!?


ブラ…透けてる!?


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