八神くんのお気に入り
教えてあげた方が良いのかな……?
でも怖い
……はっ!
これ、彼女らしい事出来るシチュエーションでは?
彼女だったらきっと拭く!!
よし、銀髪の彼の機嫌も損ねない為にも……頑張れ私!!
「あのっ」
クイクイッと銀髪の彼の袖を引っ張った。
「何?」
「口……付いてます」
そう言って、銀髪の彼の口元をティッシュで拭く。
手が震えてるのがわかる。
私、今、すっごい貴重な体験をしているんだね。
最初で最期の大仕事。
銀髪の彼とバチッと目が合う。
わっ
ドキッとする私がいて、それを隠す為にも下を向いた。
「拭けました」