八神くんのお気に入り
八神くんの話だ…。
「えー?ヤンキーじゃん」
「そうだけどさ、1人の女の子の為にあんなに走り回って犯人探してたんだよ?周りにそんな男子いる!?超レア!!私も彼氏にそんな事されたい〜」
「あんた彼氏いたっけ?」
「そんな事より、ねぇ?小早川さんもそう思わない?」
その人は目をキラキラさせて私の顔を覗き込んできた。
「へ!?」
まさか、話をふられるなんて思ってなかったから声が裏返ってしまった。
それに声しか聞いてなかったから気付かなかったけど、よく見たら同じクラスの人だ。
「八神楓に犯人探してもらったとき、かっこいいって思わなかった?」
「それは…ほんと、感謝しています…」
私はペコリと頭を下げた。