八神くんのお気に入り
「もう我慢しねぇから」
「…え?」
「嫌われたくねぇからって遠慮してたけど、もう我慢しねぇ」
「え??」
八神くんが何を言ってるのかわからなくて、頭には?がいっぱい浮かんでいた。
「莉子は誰にも渡したくねぇ」
真っ直ぐ見つめる八神くんの眼差しにドキッとしてしまう。
「祭り、一緒に行こう」
「…菫も…いる…」
恥ずかしくて八神くんが見れない。
「いいよ、別に。莉子さえいればいい」
「……」
「いい?」
その言葉に小さく頷いた。
「祭りの間、絶対手離さねぇから」
スルリと私の手を絡ませ、優しく握りしめた八神くん。
…っ!
八神くん…