八神くんのお気に入り
トイレから出てきた私は、原田が待ってるであろう昇降口に向かう。
別にこのまま逃げても良かったんだけど…
部活の子も巻き込んじゃったもんなぁ。
1年の子なんて怯えてた…
あいつのことだから何するかわかんない。
はぁ…。
もう、ほんとなんなのあいつ。
重い足取りで廊下を歩いてると、聞き覚えのある声に脈が早くなった。
「だっせー、おまえ」
え…
「うっせぇよ。あームカつく」
ドクドクと脈が早くなっていき、声の主が目の前に現れる頃には変な汗が出ていた。
勢いよく下を向いた私だったが…
下を向くのが遅かった。
派手目な2人と思いっきり目があった。
「あ?この子、この前の子じゃん」
「あ、ほんとだ。あの時はどーも♡」