八神くんのお気に入り
トレーの上に乗ったハンバーガーを嬉しいそうにお母さんの所に持って行ってる男の子。
助かって良かった…
あのままだったらきっとぶつかってた。
良かった。
「そんなさ、」
「へ?」
「そんな顔すんなよ」
「そんな…?」
ってどんな顔?
「おまえ小動物みたい。困った顔してると思ったら笑っててさ、可愛いな」
「へ?」
フリーズしていると、腕を引かれ、銀髪の彼の隣に立たされた。
「口説いてんじゃねぇよ」
「うっせぇ」
そう言った黒髪の彼は立ち上がってもう一度私を見た。
「??」
何も言わないまま、黒髪の彼は私から銀髪の彼に視線を移した。