八神くんのお気に入り
『原田、怒ってるのかな…?私、何も出来なかったし…』
「そんなことねぇと思う」
『ふふ、それどっちの返事?珍しく優しいじゃん』
「……」
『嘘嘘。ごめん。茶化した』
2人の会話に少しイラッとした。
八神に対してはそんな態度なんだな。
怒ってるとか、怒ってないとか、勝手に決めんなよ。
『悔しかったんだ、私。私も八神みたいだったら良かったな…。そしたら助けることが出来たし、一緒に病院にも行けた』
入ってきたのはとんでもない言葉で、俺は耳を疑った。
いや、聞き間違いだろ。
俺を毛嫌いしてるあいつに限って、
悔しいとか、
助けるとか、
そんな言葉ありえねぇって。