八神くんのお気に入り
────…
学生なのに何の問題もなく入れたホテル。
『お話は伺っていますよ』
なんてカウンターの人が言ってた。
銀髪の彼が先に部屋に入って行った。
私はと言うと…
一歩も動かず、部屋に入ってすぐの場所にいる。
これも彼女のフリの中に入ってるのかな??
どうしよう…。
今日1番の難関だ…。
怖いよ
帰り際に黒髪の彼が、
“これ以上機嫌が悪くなる前に”
って言ってた。
機嫌を損ねられない…
損ねたらきっと殺される。
私、そんな経験どころか、彼氏も出来たことないのに…。
どうしよう…
「何してんの?」
ドキッ
いつまで経っても来ない私が不思議だったんだろう。
銀髪の彼が様子を見に来たんだ。