八神くんのお気に入り
「ねぇこっち見て」
そう言った銀髪の彼は、無理やり私の顔を真っ直ぐ向けてキスを落とした。
「んっ」
すぐに離れた唇。
私は両手で口を隠した。
嘘…。
キス…しちゃった。
私のファーストキス
視界が涙でぼやけてくる。
ずっと我慢してたのに…
少しでも涙が出てくると止まらなかった。
最強と言われてる銀髪の彼と関わるのは怖かった。
彼女のフリって何をしたらいいのかわからなかった。
喧嘩が始まりそうだったときはどうしようかと思った。
思い出せば思い出すほど、苦しくて、次から次へと涙が出てくる。