八神くんのお気に入り

び、ビックリした…。


何もかも奪われそうな気がして、八神くんを見ることが出来なかった…。



足元を見てるんだけど、八神くんからの視線を感じる。



っ…


とんでもない圧がかかってる。



早く、その圧から逃げ出したい。




「焼きそば、食べたい…っ!」



“可愛くない”とか、そんなことを忘れてて、気付けば口を開いていた。



「何だ、焼きそばか。何で隠す必要があったんだよ?」


クスリと小さく笑った八神くんは、いつもの表情に戻ってて…


これなら見れる。




「焼きそばって…可愛くないもん」


プイッと反対側を向いた私に、八神くんは笑い出した。



「充分可愛いよ」



ドキッ



へ…?


「恥ずかしかったり、拗ねたりする莉子、可愛い」



そう言って優しく笑う八神くんにドキドキしてしまう。


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