八神くんのお気に入り
さっきまで…力強い眼差しで見てたのに…
今は優しい眼差しなんて…
ずるい。
「行こうか」
八神くんの言葉にコクンと頷いた。
ドキッ
「っ…!」
八神くんが私の手を握る。
それだけなのに…“手を離さない”っていう罰ゲームが、まだ実行されてると実感して…ドキドキしてしまって…。
八神くんの中で私と手を繋ぐことが当たり前なのかなぁって思って…自惚れてしまう…
嬉しくて…
ずっと…
繋いでたいな…って…
ドキドキ…
ドキドキ…
八神くん…離さないで…ね…。
八神くんと繋がっている手に少しだけ力を込めた。