八神くんのお気に入り
どこも並んでて、3軒目の焼きそば屋さんで私達は並んだ。
私達の順番が来て、注文しようとした時だった。
「あ、テツさん!」
八神くんがそう呼んだのは。
テツさんと呼ばれた髭を生やした男の人は、八神くんを見るなり嬉しそうな表情になった。
「おお!楓じゃねぇか!元気してたか?」
「おかげさまで。テツさんも元気なんスか?」
八神くんも嬉しそうで…
何だか2人の会話に、置いてけぼりにされてる感じがする。
“楓”って呼んで…2人、仲良いんだ…。
「元気、元気!あれからおまえ、一切顔出さねぇんだから」
「ハハッ。悪い悪い。あ、焼きそば2つね」
「はいよ」
そう返事をして、髭の人は焼きそばを作り出した。