八神くんのお気に入り
八神くんは強くて…学校でも、先輩が怖がるほど。
そんな八神くんの背中は…
伸ばしても、伸ばしても
届かない。
先生にも敬語を使わない八神くんが、屋台の人には敬語だった…。
きっと私の知らない世界の八神くん…。
ねぇ…八神くん…。
私…八神くんの事知りたい…。
知らない事が多すぎて…
「いた!」
その声が聞こえたと同時に、私は抱きしめられた。
「や、神…くん?」
目の前には八神くんがいて…
私は力強く抱きしめ返した。
八神くんの顔を見た途端、涙が止まらなくなって…
「八神くんっ…八神くんだっ…!」
答えるかの様に、八神くんも抱きしめる力が強くなった。