八神くんのお気に入り
不機嫌な表情の八神くん。
なのに、私はすっごく嬉しくて…
「何笑ってんの」
おでこをツンッと突かれた。
汗をかいてるって事は、走り回ったのかな??
そんな姿を想像すると、胸がキュンッてなる。
そんなになってまで、私を探し回ってたのかと思うと…
やっぱり嬉しい。
そう思ったら顔のニヤニヤが止まらなくて…
「泣いたり、笑ったり忙しいやつだな」
八神くんの言葉に、私はニッコリ笑った。
「八神くん見たら嬉しくなっちゃって…」
「そんな可愛いこと言うんじゃねぇよ」
一瞬だけ照れてる様な表情が見えた気がした。
「わっ」
でも、おでこをツンッと突かれ視界を遮られた。
スルリと指を絡ませ、手を握る八神くん。
ドキッ
「ここから花火見えるし、ここで見る?」
「う、うん」