八神くんのお気に入り

「八神くん…私のこと“大事な友達”って言って…いろんなところで助けてくれたよね…?」


声が震える…。


これ以上聞くのが怖い…。



「……」


無言が真実であることを証明しているかの様で…



「全部…嘘…なの…?」


「ごめん…」



その瞬間胸が締め付けられた。


涙が浮かんできて、突っ伏したままの八神くんがぼやけていく。



何で…


何で…



嘘なんかつくの…?




その返事が嘘だってわかるよ…。




消えちゃうんじゃないかって思ってしまうくらい…私を握る八神くんの手が優しすぎて…。




矛盾してるよ…八神くん…。




私にとって八神くんは大事な人で…



八神くんと一緒にいたい。



離れていってほしくない。



< 288 / 511 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop