八神くんのお気に入り
でも、あの時は莉子と一緒にいるのが辛くて…。
近くにあった公園に立ち寄り、ベンチに座った。
「こんな時間までいるって事は、まだ帰ってないんだろ?」
「うるさいなぁ」
半ギレ状態の俺を原田は笑った。
「前と逆じゃん」
「はぁ?」
「何があったんだよ?」
……。
「あんなに小早川さんと一緒にいたのに。また裏切られたのか?」
「莉子はそんなやつじゃねぇ!!」
原田の言い方が気に入らねぇ。
「そんな怒んなよ」
「“また”とか言うんじゃねぇよ!!」
「悪かったって」
くそっ
莉子はそんな
裏切るようなやつじゃねぇ…
むしろ、俺の力になりたいって…。
くそっ
「なぁ…何で小早川さんなの?」
「はぁ?」
質問も気に入らなくて、原田を睨んだ。