八神くんのお気に入り
「今日朝から元気ないよね?言ってくれるの待ってたけど莉子中々言わないから」
「あ、ごめ…」
バレてた。
「別に言いたくないなら無理には聞かないけど…」
「違っ…!けど…」
いないよね??
私は周りをキョロキョロと見渡して、小声で話し出した。
「銀髪の人いるでしょ?」
「うん、八神でしょ?最強って言われてる」
「その…銀髪の人の……」
「銀髪の人の?」
「彼女のフリ頼まれた」
話しながらも食べ続けていた菫の手が止まった。
「え!!?まじ?何で!?」
「わかんない」
「は?え、ちょっと待って」
スプーンを置いた菫は、眉間を押さえている。
いや、この反応はわかる。
私も昨日はいきなりすぎてパニックだったもん。