八神くんのお気に入り
口に出した言葉は戻すことが出来なくて…
「か、彼女じゃなかったの…?」
付け加えるように質問をした。
「あんな裏切り者、彼女でもなんでもない」
そんな事言われたら…何も言えなくなって…。
「俺の1番は莉子なんだ」
八神くんは、もう片方の手で私の頬に触れた。
「莉子のこと、独り占めしたいって言ったら俺は欲張りか?」
ドキッ
…え?
「莉子の笑顔、優しさ…全部俺だけのものにしたい」
触れてる所から全身を巡って体が熱くなっていく。
好き。
私も、八神くんが…
「私っ…」
トンッと、私の唇に人差し指を置いた八神くん。
「いいよ。無理しなくて」