八神くんのお気に入り
『起きたばっかりで何も食べて無いんでしょ?』
「うん…」
『あ、だったらファミレス行く?涼しいし!』
「そうだね、そうしよ」
『オッケー!私、先行ってるから』
「うん。着いたらまた連絡するね」
『はーい。またねー』
電話を切って、私は急いでベッドから降りた。
急げ〜
ファミレスだったら、菫より私の家の方が近い。
急いで支度したら間に合うかも…!
急げ〜
服を着替え終えた私は、バタバタと階段を降りて行った。
夏休みだけど、お父さんもお母さんも仕事で、家に誰もいない。
10分で支度を済ませた私は、玄関のドアを開けた。
「わっ」
暑…
日中って事だけあって、夏の日差しは強く、私は片方の手で影を作る。