八神くんのお気に入り
八神くんかっこいいし、強いしで…
私とは真逆…。
「私なんか好きになったら勿体ないよ…!」
「勿体ないとか言うなよ」
「へ…?」
「友達思いで、俺達にも優しい。莉子は良い女だ」
“良い女”だなんて…
そんな事初めて言われた。
「そ、そんな事…優しい人なんて、沢山いるよ…?」
「莉子がいいんだ。莉子じゃなきゃ意味がない」
そう言って近付いて来た八神くんは、私の頬に触れた。
ドキッ
「俺まで楽しくなるような笑顔、赤くなって照れる仕草…」
その手は私の唇に移動する。
えっ…
フニッと触れる指先に、心臓が騒ぎ出す。
「もっと知りたいんだ莉子の事」
え…
「全然足りない」
真っ直ぐ見つめる八神くんの姿に、ドキドキと心臓がうるさい。