八神くんのお気に入り
「え、や…あの…」
盛り上がって、迫りくる2人に逃げようと椅子ごと後ろに下がった。
「はいはい。脱線しすぎ。話戻すよ」
手を叩いて強制的に終了させた会話。
まだ八神くんに言ってないのに、ここで好きって言いたくなかった。
菫〜!!
ありがとうっ…!
キーンコーンカーンコーン…
授業終了のチャイムが鳴った。
修学旅行の予定立てで次の授業も総合学習。
一緒に予定を立てていた田中くんと山崎くんは、チャイムが鳴るなり騒ぎながら教室を出て行った。
「私、トイレ行ってくるけど莉子も行く?」
「ううん」
「あ、私行く!」
雛ちゃんがすかさず返事をして、2人は教室を出て行った。
教室にはクラスメイトが何人かいるけど、私達のグループ…佐々木くんと2人になっちゃった。