八神くんのお気に入り
菫達が帰ってきた。
「ん?どうしたの?」
私達をを不思議そうに交互に見る菫に、佐々木くんは再び笑顔を見せた。
「何でもないよ。俺がずっと書いてたから小早川さんに休み時間だよって言われてただけ」
佐々木くんの前にあるプリントを覗き、
「ほんとだ」
そう言いながら菫は席についた。
さっきの質問が本当に無かったかのように、佐々木くんは菫と雛ちゃんと楽しく話してる。
「莉子どうしたの?ボーッとしちゃって」
「う、ううん…何でもない!」
その後の修学旅行の話し合いも、佐々木くんはいつも通りだった。
佐々木くん…何であんな事聞いてきたんだろう……。