八神くんのお気に入り
私も行こうかな。
そう思って一緒にイベント係になった佐々木くんを探すけど、教室にはいなくてカバンだけが残ってる。
トイレかな…?
そんな事を考えていると、ポケットに入っている携帯が震えた。
【クラスのやつが今日は確認するだけだから早く終わるって話してるのを聞いた】
え?
そうなの…?知らなかった。
じゃあ、八神くんと一緒帰れる??
返事を返す前に再び八神くんからメッセージが届いた。
【待ってる】
わぁ…っ
“待ってる”たったそれだけなのに、嬉しくて顔が緩んでしまう。
へへ
【急いで終わらせるね!】
送信ボタンを押すと前から声をかけられた。
「何か良い事あった?」
「わ、佐々木くん!もうっどこ行ってたの?遅刻しちゃうよ?」
「ごめんごめん。行こ」
「うん!」
筆箱を持って、私達は集会場所の教室に向かった。