八神くんのお気に入り

「この後用事ある?一緒に帰らない?」

「へ?」


まさか佐々木くんに誘われるなんて思ってもみなくて目が点になった。


まっすぐ見つめる佐々木くんに罪悪感を覚え、私は俯いた。


だって…また、断るんだもん…。



「ご、ごめんなさいなさい…約束があって…」

「俯かないでよ」


その言葉に顔を上げると、佐々木くんは優しく微笑んでいた。



「約束があるなら仕方ないよ」


なんて言う佐々木くんはほんと優しい。


だから男女問わず人気があるんだと思う。



……次は断らないようにしなきゃ…。







佐々木くんに続いて教室に入った。


私の席に行き、カバンを持とうとしたところ

「小早川さん」

佐々木くんに名前をよは呼ばれた。



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