八神くんのお気に入り

「嬉しいっ…!」


お気に入りのキーホルダーを無くした時は本当にショックで、もう見つからないだろうと諦めてた。


その日に八神くんからぬいぐるみを貰ってすごくすごく嬉しかったけど、やっぱり大事にしてた物が帰ってくるのはそれ以上に嬉しい。



「ありがとう佐々木くん!」

「良かった。喜んでもらって」



「何してんの?」


聞き覚えのある声に私は勢いよく振り返った。


「や、八神くん…」


教室の入り口で私達を見る八神くん。


「もう終わったんだろ?行くぞ」

「あ、うん…!じゃあね、佐々木くんっ!」


佐々木くんに手を振って、もうだいぶ進んでしまった八神くんの背中を追いかけた。


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